筋トレ日記では、毎日「筋肉への刺激」と「疲労の回復」から筋肉の増え方を決め、カロリー収支のうち筋肉に使わなかった分を体脂肪に回しています。このページでは、ゲームの中で使っている計算式と、その根拠を説明します。
1. 最大重量(1RM)の推定
1RM(ワンレップマックス)は、1回だけ挙げられる最大の重さです。最初の画面で入れた「重さ」と「挙がる回数」から、Epley(エプリー)式で求めます。
1RM = 重さ × (1 + 回数 ÷ 30)例:60kgを5回挙げられる場合
60 × (1 + 5 ÷ 30) = 約70kg
回数が1回のときは、その重さがそのまま1RMです。回数が多いほど推定の誤差は大きくなるので、ゲームでは12回までにしています。
重量がわからないときの目安は、体重に次の割合をかけて求めます(スクワットはその1.3倍、デッドリフトは1.55倍)。
| 経験 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| はじめて | 体重 × 0.6 | 体重 × 0.35 |
| 半年未満 | 体重 × 0.85 | 体重 × 0.5 |
| 1年以上 | 体重 × 1.1 | 体重 × 0.7 |
2. 筋肉の増え方
筋肉量は、体重から脂肪を除いた重さ(除脂肪量)で表します。1日に増える筋肉は、次の式で計算します。
1日の増加(kg) = 経験ごとの上限 × 体重 ÷ 30 × 刺激 × たんぱく質 × 睡眠 × 食事 × 伸びしろ経験ごとの上限
理想的なトレーニングと食事を続けたときに、1か月で増やせる筋肉の目安です。トレーニングの指導でよく使われる経験別の目安をもとにしています。
| 経験 | 1か月の上限 | 体重70kgの場合 |
|---|---|---|
| はじめて | 体重の1% | 約0.7kg |
| 半年未満 | 体重の0.75% | 約0.53kg |
| 1年以上 | 体重の0.5% | 約0.35kg |
刺激
その日に鍛えた部位の刺激の合計です。3つの部位(胸・脚・背中)をそれぞれ週2回ずつ「ふつう」で鍛えたときに、1週間の平均がちょうど1になるようにしています。部位ごとに週2回以上鍛えると、週1回より筋肉が増えやすいという研究をもとにしています。
| 強度 | 1回の刺激 | 疲労の増え方 | 消費カロリー(1時間) |
|---|---|---|---|
| 軽め | 0.6 | +25 | 3.5METs |
| ふつう | 1.0 | +40 | 5METs |
| 限界まで | 1.15 | +60 | 6METs |
- 全身の日は、3つの部位に0.6倍ずつの刺激と疲労がかかります。
- 疲労が残っている部位を鍛えると、刺激は「1 − 疲労 ÷ 100」倍になります(疲労50で半分)。
- 同じメニューを4週間続けると停滞期になり、刺激が0.8倍になります。メニューを変えると元に戻ります。
- ジムが混んでいる日は、刺激が0.7倍になります。
たんぱく質・睡眠・食事
| 条件 | 係数 |
|---|---|
| たんぱく質 少ない(体重×0.8g) | 0.5 |
| たんぱく質 しっかり(体重×1.6g) | 1.0 |
| たんぱく質 プロテイン追加(体重×2.2g) | 1.0 |
| 睡眠 5時間 / 7時間 / 9時間 | 0.6 / 1.0 / 1.05 |
| 食事 減量(−500kcal)/ 維持 / 増量(+300kcal) | 0.4 / 0.8 / 1.0 |
筋トレで筋肉を増やすためのたんぱく質は、体重1kgあたり1日約1.6gまでは多いほど効果があり、それより多くとっても効果はほとんど変わらないという研究があります。ゲームでも、プロテインを足して体重×2.2gにしても係数は1.0のままで、カロリーが1日120kcal増えるだけです。
食事の係数は、食事の量で決めた差(飲み会の日は+1,200kcalを足す)から、−500kcal〜+300kcalの間をなめらかにつないで決めます。筋トレをした日だけ消費が増える分は含めません。
伸びしろ
筋肉は、生まれつきの上限に近づくほど増えにくくなります。上限の目安には、除脂肪量指数(FFMI)を使います。
FFMI = 除脂肪量(kg) ÷ (身長(m) × 身長(m))伸びしろ = (上限のFFMI − 今のFFMI) ÷ (上限のFFMI − 基準のFFMI)(0〜1の範囲)上限は男性25・女性21、基準(鍛えていない人の上のほうの目安)は男性20・女性16.5にしています。男性の上限25は、薬物を使っていない人のFFMIがほぼ25までだったという研究をもとにしています。女性は研究が少ないため、男性との差をもとにした目安です。
鍛えないとき
1週間まったく鍛えないと、筋肉は1日0.005kgずつ減ります。また、10日以上鍛えていない部位は、1RMが1日0.05%ずつ下がります。
3. 1RMの伸び方
1RMは、鍛えた部位の筋肉が増えた分と、神経の適応の分の合計で伸びます。
- 筋肉の分:その日に増えた筋肉のうち、その部位に割り振った分の割合に比例して伸びます(部位の筋肉は筋肉量の3分の1として計算)。
- 神経の適応の分:筋トレを始めたばかりのころは、筋肉が増える前に、体が力を出すのに慣れて重量が先に伸びます。経験ごとに伸びしろ(はじめて20%・半年未満8%・1年以上3%)を持ち、その部位を鍛えるたびに残りの15%ずつ使います。最初の4〜6週で大きく伸び、そのあとはゆるやかになります。
種目と部位の対応は、ベンチプレス=胸、スクワット=脚、デッドリフト=背中です。
4. 疲労・ケガ・やる気
- 疲労:部位ごとに0〜100で持ち、毎晩の睡眠で回復します。回復量は、5時間で18、7時間で30、9時間で36です。7時間眠ると、「ふつう」で鍛えた部位の疲労は2日ほどで抜けます。
- ケガ:「限界まで」で、鍛えたあとの部位の疲労が80を超えると、8%の確率でケガをします。ケガをした部位は7日間鍛えられません。
- やる気:0〜100で、何もなければ60に近づきます。休みの日や自己ベストで上がり、「限界まで」・睡眠不足・減量・ケガで下がります。60未満で5%、30未満で40%の確率でトレーニングをサボります(休日・雨の日は+10%ずつ)。
5. カロリー収支と体脂肪
消費カロリーは、ダイエット日記と同じ計算です。基礎代謝は Mifflin-St Jeor(ミフリン・セントジョー)式で求めます。
男性:10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) − 5 × 年齢 + 5女性:10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) − 5 × 年齢 − 161消費カロリー = 基礎代謝 × 活動係数 + 筋トレの消費カロリー筋トレの消費カロリー = (METs − 1) × 体重(kg) × 1時間 × 1.05摂取カロリーは、基礎代謝×活動係数に1週間の筋トレの消費カロリーの平均を足した「維持カロリー」に、食事の量(減量−500kcal・維持±0・増量+300kcal)を足して求めます。プロテイン追加は+120kcal、飲み会は+1,200kcalです。
その日の収支のうち、筋肉をつくるのに使った分(筋肉1kgあたり約2,500kcal)を引いた残りが、体脂肪の増減になります。
体脂肪の変化(kg) = (摂取 − 消費 − 筋肉の増加 × 2,500) ÷ 7,200体脂肪1kgは約7,200kcal(1,000g × 脂肪の割合0.8 × 9kcal)に相当するとされています。体重は、筋肉量(除脂肪量)と体脂肪の合計です。
参考にした資料
- Epley B. Poundage Chart. Boyd Epley Workout. Lincoln, NE: Body Enterprises, 1985.
- Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, et al. "A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults." British Journal of Sports Medicine, 2018; 52(6): 376–384.
- Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. "Effects of resistance training frequency on measures of muscle hypertrophy: a systematic review and meta-analysis." Sports Medicine, 2016; 46(11): 1689–1697.
- Kouri EM, Pope HG Jr, Katz DL, Oliva P. "Fat-free mass index in users and nonusers of anabolic-androgenic steroids." Clinical Journal of Sport Medicine, 1995; 5(4): 223–228.
- Mifflin MD, St Jeor ST, et al. "A new predictive equation for resting energy expenditure in healthy individuals." The American Journal of Clinical Nutrition, 1990; 51(2): 241–247.
- 国立健康・栄養研究所「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」
ゲーム内の計算は、上の資料や広く使われている目安をもとに、ゲームとして遊びやすいように単純化したものです。疲労・ケガ・やる気・できごとの確率と効果は、ゲームとしての調整値です。個人の体質や生活によって実際の変化は異なります。実際のトレーニングや食事については、医師やトレーナーなどの専門家に相談してください。